11月はエンデの月

11月はM・エンデを読む月に。

 

きっかけはKindle Unlimitedに『モモ』が入っていたから。

『モモ』を読んでいたら、他のエンデ作品も読みたくなって、図書館に行ってきました。

 

借りたのは『鏡の中の鏡ー迷宮ー』と『自由の牢獄』

2冊とも家にあったけど処分してしまったので、改めて読み直すために借りました。

なぜ家にこの2冊があったのかはいまだに謎です。

 

改めて、面白い。

『モモ』はもちろんなんですが、特におすすめしたいのが『鏡の中の鏡ー迷宮ー』と『自由の牢獄』の2冊。

図書館では児童文学の書架においてあったんですが、いやいや大人にならないと、この本の面白さはわからない気がします。

 

『鏡の中の鏡ー迷宮ー』は、とてもシュールな短編集。

各話の最後の場面が、次の話のモチーフになるという構成になっています。

そして、最終話の最後が最初の話の冒頭に戻ってくるという仕掛けで、ぐるぐると無限に続く合わせ鏡のようになっているのです。

個人的には、翼にいろいろなものが絡みついて飛べなくなってしまう青年の話が好き。

 

『自由の牢獄』は『鏡の中の鏡ー迷宮ー』に比べるとストーリーは分かりやすい。「遠い旅路の目的地」は特に好きな話。

男の涙に女は弱いということをこの話で知りました。

それ以来、積極的に泣いています。

 

エンデの作品は、けっこう経済・お金のお話も出てきます。しかも、あまり良いものとしては出てきません。

『モモ』の悪役である灰色の男たちも、うさん臭い銀行マンのようないでたちで出てきますし、『鏡の中の鏡ー迷宮ー』には、お金をどんどん吐き出す機械でできた駅が、最終的に爆発する話があったり。

モモの友達であるジジのおとぎ話では、「大きすぎて手に負えなくなる」という話が出てきます。これは金利の比喩かなぁと今回読んでて思いました。

 

『エンデ遺言』というNHKの番組を元にした本があって、S・ゲゼルの地域通貨やR・シュタイナーの減価する貨幣などが暴走する経済の歯止めとして紹介されています。

で、エンデは少年時代、シュタイナー教育の学校で学んでいるのですね。退学していますが。

 

今回は、そんなお金のことも考えながらエンデ作品も読んだのでした。

ところで、実は『はてしない物語』は読んだことがないので、今月中に読みたいなぁと思っています。

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