時には首根っこを掴まれたい

年を取ると味の好みが変わってくるとよく言われます。

私も味の好みについては、変わってきた部分があります。

 

まず椎茸が食べられるようになりました。子供の頃は嫌いでよく残していたんですが、七輪で焼いただけのシンプルな椎茸を食べて世界が変わりました。

私の場合、食べ物の好みについて、匂いが好みじゃないっていうときが多いんです。

煮物とか茶碗蒸しに入っている椎茸の、あの独特な匂いが苦手でした。

ところが、焼いただけだと香ばしくて、あの独特な匂いが弱まっているので美味しく食べることができました。

 

他だと納豆とかも苦手だったんですが、今では大好物です。

あれはご飯にかけるのが嫌だった。なんだかネバネバして綺麗な感じがしなかったんですよね。大人になって、納豆だけを食べるようになって、美味しく感じるようになりました。

子供の頃は、「こうやって食べなさい」みたいに周りに言われることが多いので、大人になって自分好みの食べ方ができるようになったのは大きいのかもしれません。

 

食べ物だけでなく、子供の頃は苦手だったのに、今は好きになったものも結構あります。

特に今回はテレビ関係で思いついたものがありました。

 

まずは『男はつらいよ』シリーズ。子供の頃まで、ぎりぎり毎年テレビで映画が放送されていた気がします。子供の頃は全然面白いと思わなかったんですが・・・

今見ると本当に面白い!特に一作目は泣いちゃいますね〜

演出なんかのことも考えながら観ることができるようになって、うまいなぁと唸りながら見てしまいます。

 

次は『NHKのど自慢』。これも大っ嫌いでしたね。素人が歌っているのを見て、何が楽しいの?って思ってました。でも、それは心の狭い見方でした。そこがいいんだよっていうね。

ある放送で、男子中学生が転校していく友達と歌うっていうのがあって、おいおい泣いちゃいました。

 

男はつらいよ』にしろ『NHKのど自慢』にしろ、共通するのは熱さなんだなと思います。

若い頃は、この熱さがウザくてたまらなかった。特に寅さんのウザさは相当なものです。

周りの熱さがウザく感じるのは、自分の体の中にも発散しきれない熱がこもっていたからだと思います。

 

今は自分の熱量も分かってきた。どこに興味が向いて、どこに興味が向かないかも分かってきました。でも、時にはそれだけじゃ物足りなくなる時があります。

首根っこを掴まれて、「こっちを見ろ!」って言われたくなる時がある。

「まだまだお前熱くなれるだろ〜!」って言われたい。

 

私にとってのそんなコンテンツが『男はつらいよ』であり『NHKのど自慢』のようです。