献血ルームで孤独に死を感じた話

お題「これまで生きてきて「死ぬかと思った」瞬間はありますか?身体的なものでも精神的なものでも」

 

そんなことあったかなぁと考えました。

 

子どもの頃に、坂道を転げ落ちて頭蓋骨を骨折したことがありました。

その時の記憶は今でもしっかり残っていますが、まだ小さかったから「死ぬかも・・・」みたいな感覚にはならなかったです。

近くにいた父親は「死んだかも」と思ったかもしれないですが。

 

て感じで大きくなって生命の危機を感じたこと・・・と記憶を辿っていくとありました。

そんなに前ではないです。4年前かな。

初めて献血に行った時それは起こりました。

 

詳しいことはもう忘れましたが、なぜか友人たちと献血に行こうという話になり、福岡市内の献血ルームに行きました。

いろいろ手続きをして、さぁ献血だと思ったのですが、確か朝食を食べてないとかで、私は成分献血になりました。

 

献血に2種類あるなんて知りませんでした。

「まぁまぁしょうがないか」と思って献血をするスペースへ。

リクライニングシートが何台もあって、美容室みたい。おしゃれです。

その日は半分くらい埋まってました。

 

そのうちの一台に座って、腕に献血のための針を刺すと、シートの後ろにある仰々しい機械が動き出しいよいよ採血開始です。

 

初めての献血だったので、ワクワクしてたのですが、採血をし始めた途端に違和感が・・・

ホントに体の中から何かを抜かれている感覚。血を抜かれているので当たり前なのですが。

その違和感だけで、不安と恐怖を感じてしまいました。

 

時間が経つごとにその不安感と恐怖感は増していきます。

でも献血ってこんなものなのかなぁと我慢をしていましたが、だんだん気分も悪くなってきます。「あぁ、もしかしてやばいかも」とこの辺から思いはじめ、「死ぬかも」と脳裏をよぎります。

 

そうなると、「彼女に送った最後のLINEがめちゃくちゃくだらない内容だったなぁ」みたいなことを考えます。「もうちょっとマシな内容にしておけばよかった・・・」と後悔。

 

そんなことを考えていると、流石に様子が変だったようで、献血ルームのスタッフさんたちが集まってきました。体がきついことを伝えると、「まぁ半分くらい取れてるからいいんじゃない」と何事もないような気楽な対応。まぁそうですよね。

 

そこで献血は中止されました。

リクライニングシートの足側をガバッとあげて、頭を下にされると気分がだんだん元に戻ってきます。そして汗がどんどん出てくる。「あ〜血が体を巡っている」と実感します。

この汗って体の反応らしいですね。この時ほど血液の流れを感じたことはありません。

まさに人間は血液の入った袋なのですね。

 

初めての献血は苦い思い出になりました。それ以来献血にも行ってません。

でも献血ってとても意義深さを感じてはいるのです。

コロナ禍で輸血用の血液が足りないそうなので、今度はちゃんと体調を整えて行ってみたいと思います。